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最高裁判所第一小法廷 昭和28年(ク)276号 決定 1953年12月10日

倉敷市西阿知町六三二番地

抗告人

株式会社三幸商会

右代表者代表取締役

原良平

右代理人弁護士

岸本静雄

佐藤重政

右抗告人は、広島高等裁判所岡山支部昭和二八年(ラ)第一〇号競落許可決定に対する抗告につき、同裁判所が昭和二八年一〇月一九日なした競落許可決定取消の決定に対し、抗告の申立をしたので、当裁判所は裁判官全員の一致で、次のとおり決定する。

主文

本件抗告をいずれも却下する。

抗告費用は抗告人の負担とする。

理由

最高裁判所が抗告に関して裁判権をもつのは、訴訟法において特に最高裁判所に抗告を申し立てることを許した場合に限られる。そして民事事件については、民訴四一九条ノ二に定められている抗告のみが右の場合に当ることは、当裁判所の判例とするところである(昭和二二年(ク)第一号同年一二月八日決定参照)。従つて、最高裁判所に対する抗告申立には同四一三条は適用がなく、その抗告理由は同四一九条ノ二によつて、原決定において法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかについてした判断を不当とするものでなければならない。ところが、本件抗告理由がいずれも右の場合に当らないことは、抗告理由自体により明らかであるから、本件抗告をいずれも不適法として却下し、抗告費用は抗告人の負担とすべきものとし、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 斎藤悠輔 裁判官 真野毅 裁判官 岩松三郎 裁判官 入江俊郎)

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